愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「それはない」
「じゃぁ、どうするの!」


真紀さんのスーツを掴む。


「私は真紀さんに好きな仕事をしていてほしい。例え才能があるって言われていても、やりたい仕事をしていてほしい。でも、別れたくない」
「里桜、俺だって同じ気持ちだよ」


宥めるように背中を撫でながら抱き締めてくる。


「籍入れちゃおうか」


どこか悪戯っ子のような口調で言う。しかし、それには首を横に振った。


「そんなことしたら、それこそ真紀さんの好きな仕事が出来なくなる。私は真紀さんの家族にも認めてもらいたいよ」


私の頭に顎を軽く乗せながら、「そうか」と呟いた。


「とりあえずは里桜。この件は俺に任せてくれないか」


そう微笑まれて、ゆっくりと頷いた。



< 225 / 262 >

この作品をシェア

pagetop