愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
真紀さんにはお父さんの考えや思いが見えているようだ。
だとしても、ずっと離れるなんて辛い。
「わ、私も一緒に……」
呟くが真紀さんには苦笑して私の頭を撫でた。
「里桜は、こっちに残ってやりたいことをやるんだ」
「でも」
「里桜にとっても俺にとっても3年は長い。待たなくてもいい」
サラッと言われて絶句する。
待たなくてもいいって言ったの? どうして……。
「里桜だって適齢期だ。結婚願望だってあるだろ? 俺はそれを直ぐには叶えてやれない。側にもいてやれない。もし、里桜が心変わりしても責められない」
私が言葉を挟もうとすると、手で遮られた。
「俺だって里桜と別れたいわけじゃない。だから、戻ってきた時、一度だけ会いに来る。その時に里桜がまだ俺を思っていてくれたら、もう一度やり直そう」
「真紀さん……」