愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
嫌だという一言が出てこない。私がそれを言える立場にはないんだ。
真紀さんは、きっと麗香さんのことが起きたときからお父さんが出てくることや言われることを予想していたのではないだろうか。だからこそ、こんなにスラスラと考えが言えるのだ。
それに、真紀さんは私が仕事が好きだって知っているから。副主任の話がなかったとしてもボストンへ連れていく気はなかったのだろう。
「勝手な男だって嫌いになってもいいよ」
「なれません」
顔を覆って泣く私を抱き締めた。
どのみち、今のままでは真紀さんとの将来は認められないんだ。
真紀さんは、嫌いになってもいいなんて言うけど、きっと私たちが幸せになれるように、今自分のやりたいことを後回しにしてまでなんとか解決しようとしている。
私は真紀さんをここで待っていたい。