愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
翌日。
約束の時間に鈴木主任の家を訪れると、パタパタと小さな可愛い足音が聞こえてきた。
「里桜ちゃーん」
玄関が開くと四歳の乙葉ちゃんが抱きついてきた。それをギューッと抱き締め返す。
「乙葉ちゃん! 久しぶりだね」
「もう、乙葉。飛び出したら危ないでしょう」
注意をしながら奥から鈴木主任が第二子の葉月ちゃんを抱っこして現れた。
「主任! お久しぶりです」
「主任はあなたでしょう」
「そうでした、つい癖でいまだに呼んじゃうんですよね。美紀さん」
鈴木主任ーーもとい鈴木美紀さんは、昨年二人目の妊娠を期に仕事を辞めた。そして、そのポストに私が収まったのだ。