愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
二人で食事に行ったりはしないけど、会えば立ち話をするくらいだ。
心さんは初めは私を気にかけてくれて真紀さんの話もしてくれたが、次第にその話題もしなくなった。たぶん、気を遣ってくれているのだろう。
「藤堂先生から連絡は?」
「半年前からないです。でも、その前もやり取りしたのは夏ごろだったし、少しずつ期間は空いてきていたから別にって感じですけどね」
ふふっと笑うと美紀さんは「ふぅ」とため息をついた。
「なんだかんだでメールのやり取りをしていたから、仲は続いているかと思ってたけど」
「ここ二、三年はメールも一行二行ですよ。それも数ヵ月に一度」
どこか、義務のようにもなりつつあった。