愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


明日にでも引っ越しの挨拶があるかもしれないな、とテレビを観ながら携帯で婚活サイトの検索をしてみる。
最近はこうした所からの出逢いも主流になってきているし、試しにやってみようかなと見ていると、部屋のインターホンが鳴った。

あぁ、お隣だろうと予測がつき、モニターを確認せずに玄関を開ける。


「はい」
「危ないな、モニター出てから開けろよ」


開けたとたんに言われた一言は文句だった。
玄関前には、20代後半くらいの若い茶髪の男性。そこそこイケメンだが、態度が妙に大きかった。
ムッとして睨んでしまう。


「どちら様?」
「……朝比奈さん」


男性はうちの表札を見て、確認する。
感じ悪いなぁ。
この人が隣に引っ越してきたのか。なるべく関わらないようにしよう、と心のなかで決めた。


この時、男性は私を見て言った。


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