愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
どうして……。
『いい加減にボストンへ帰れよ、ジョン!』
『僕はマキと居たいんだ!』
『俺は勘弁だって、何度も言っているだろう。今回だってノコノコ着いて来やがって』
『ねぇ、ボストンへ帰ろうよ』
目の前で真紀さんと男性ーージョンが言い争いをしている。話している言葉はわからないが、真紀さんが迷惑そうだ。
というか、目の前に真紀さんがいる。
相変わらずのスラッとしたモデル体型に、五年たって少し顔に渋みが出てきている。それがなんとも言えない色っぽさを兼ね備えていた。
変わらないその姿に、夢かと思う。
唖然として言葉もない私に、真紀さんは初めて目線を寄越した。
五年ぶりに目が会った。