愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
23

翌日の日曜日はほとんど寝れずに朝を迎えた。
隣の部屋に真紀さんがいると思うと、なんだか落ち着かない。前のようなドキドキではなく、ソワソワするような、どちらかといえば不安感が強い。
ため息とともに窓を開ける。
私の気持ちに反して、とても気持ちのいいお天気だ。

空気の入れ替えをしていると、隣から英語で言い争うような声が聞こえる。たぶん、ジョンと真紀さんだろう。あの二人もどんな関係なんだろう。真紀さんはジョンをうっとおしそうにしていたけれど、ジョンは真紀さんにべったりだ。
ふたりの関係を考えようとして、そこで辞めた。別に気にしなくても、いいのではないか?
私に関係あることとは思えない。

簡単に身支度を済ませて、気分転換に買い物でも行こうかと部屋を出ると、真紀さんの部屋からジョンが出てきてばったり会ってしまった。
ジョンは私を見ると、唇を尖らせてムッとした表情をする。
どう反応を返してよいかわからず、とりあえずは軽く会釈して通り過ぎる。しかし、ジョンは後ろからついてきて声をかけてきた。


「リオ」
「……呼び捨てですか」

外国人だからしかたないかと思いつつも、ほぼ初対面の人にファーストネームを呼び捨てにされることがないので、あまりいい気分はしない。しかし、ジョンはわからないのか首を傾げる。





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