愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「リオはマキが好きか?」
エレベーターに乗り込んだとたんに、直球で聞かれる。あまりにもストレートな物言いに、一瞬言われたことが理解できなかった。
チラッとジョンを見るが、決してふざけている様子はない。何をどこまで知っていて、どう思って言っているのかがわからないので、無言で顔をそむける。
しかし、ジョンは「リオ、暇? 僕、お腹空いた」と私の手を引いて近くのファミレスへ入っていった。あまりの強引さに、反論する余地もなく気が付けば席に座っている。
どうして私の周りはこう自分勝手な人が多いんだ。呆れつつも、実際はやることもなかったためコーヒーを頼んでジョンの前に大人しく座っていることにした。
「僕は、ジョン。日本人とアメリカ人のハーフなんだ。だから少し日本語はわかる」
席について向かい合うと、ジョンはさっきまでのツンケンした態度から一変して、淡々と自己紹介を始めた。たぶん、けんか腰ではなくちゃんと私と話そうと思っているのだろう。
「マキとは三年前、ボストンで知り合った。僕も一応はドクターだからね、マキの下で働いていた」
つまり、ジョンは真紀さんの部下ということか。