愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
ジョンが部屋に戻ると言うので、私もそれに着いていくことにした。
自分の部屋ではなく、真紀さんの部屋の前へ行くとジョンがインターホンを連打する。
「うるせーよ、ジョン!」
真紀さんが顔をしかめながら部屋を空け、ジョンの後ろにいる私に気が付くとハッと固まった。
「マキ、僕はボストン帰るから」
ジョンはそう言って玄関に置いていたキャリーケースを引っ張り出した。
「帰る?」
ハッとしたように聞くと、すでにジョンは準備を済ませている。
「また、遊びに来るからね。マキ」
「来なくていい」
真紀さんが苦笑すると嬉しそうにジョンは笑った。そして、私をチラッと見た後、部屋を出て行ってしまったのだ。