愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


そんな私たちのやり取りを心さんは「ね?」と言うが、まぁ言いたいことは大体わかった。
明らかに私への態度が違う。それが素だというならそうなのだろう。
でもだからといって、どうだというの?
私にとっては失礼きわまりないことには代わりない。

サンドイッチを頬張っていると、松田さんという店員さんがいなくなった後、目の前にサラダが差し出された。
藤堂先生のランチセットについてきた小皿に入ったやつだ。


「朝比奈、食え。そんだけじゃぁ足りねぇだろ」
「足りますよ」
「量じゃない。栄養だ! 昨日点滴されたの忘れたのか? どうせ、忙しいと腹減ってても食べるのを後回しにするタイプだろ」


正にその通りで反論できず、サンドイッチを口に詰めて誤魔化す。


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