愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
患者さんからの貰い物ってあまりしない方がいいとかないのかな?
贔屓されるとか、色々と問題がありそうだけれど。
「大きな病院とかは断るところ多いけどな。俺もさすがに袖の下的な金銭や高価なものは貰わねぇよ」
霜降り肉は高価ではないのだろうか……??
そんな疑問が浮かぶが、お肉を前に嬉しそうな藤堂先生には言えなかった。
まぁ、個人病院だし院長が良いとしているなら良いのだろう。
「看護士達にも分けたんだけど、それでも余ったからこれから心と食おうと思ってたんだよ」
心さんも呼ぶのか。それなら二人きりではないし気まずくないかも。
なにより、お肉……食べたい。霜降り肉なんて滅多に食べられるものではない。
どうしよう。迷いつつも行きたい気持ちがあるのに先生は気が付いている。
「来いよ」
なんて単純なんだろう。
さっきまで感じていた気まずさはどこへやら。
藤堂先生の最後の一言で、食欲には勝てずに大きく頷いた。