愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
荷物をおいて、仕事用の服からラフな部屋着のパーカーとスウェット生地のロングスカートへと着替える。
それから隣の藤堂先生の部屋のインターホンを押すと、「はーい」と心さんの声がした。
準備をしている間に来ていたのかすでに先生の部屋にいたかのどちらかのようだ。本当に心さんがいた、とほっとする。あんなことの後に先生と二人っきりで、しかも男性の部屋で過ごすなんてできっこない。
「心さん、こんばん……」
玄関が開き、心さんの姿が見えたので挨拶をしようとしたが一瞬で笑顔と声が消え固まってしまった。
「いらっしゃい、里桜ちゃん」
「あ、コンバンハ……」
心さんのいつもと変わらぬ笑顔に、ハッとして機械的に返事を返すがその姿に唖然とした。
「そのエプロン……」
「これ? 可愛いでしょう?」
と、頬を染めて白いフリフリレースのエプロンを身に付けた心さんはその場でクルリと一回転する。