愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「片付けますね」
「いいよ、こいつにやらせれば」
藤堂先生は足で軽く心さんを突っつくが、さすがにご飯を作って貰って挙げ句に片付けまでやらせるのは心苦しい。
「大丈夫です。すぐ終わりますから」
そう言って流し場へ立つが、藤堂先生も食器を持ってきたりテーブルを拭いたりと手伝ってくれる。
何だかんだで、任せきりにはせずに一緒に片付けをしてくれる人なのだろう。
女たらしで意地悪なことを言うけれど、実は面倒見が良くて優しいところがある。
そういうところが、患者さんにも好かれるところなのだろう。
私だって。
「ん? 私だって?」
私だって、何?