愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
新しいイタリアンレストランは会社から程近い裏路地にあり、まだよく知られていないのかそこまで混雑はしていなかった。
でも値段もリーズナブルだし店員の感じもいいし、そのうちお昼時には行列の出来るお店になるのだろうなと思う。奥の席を通されて落ち着こうと出された水を一口飲む。その冷たさがで少し冷静になった気がした。
「開店したばかりで気になってたのよね」
鈴木主任は運ばれてきたランチメニューのサラダをつつきながらニッコリと頬笑む。
「で? なぁにをそんなにイライラしてたのよ、朝比奈ちゃんは」
そう問われて、私は手元のサラダを何度かつんつんと突いてみた。