愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
それにしても、今日はいつにもまして身体が重い。動きすぎたのか、節々も痛いような気がする。昼間にダンボール箱を持ち上げたのが効いたかしら。それとも、階段ダッシュ?長時間の会議で身体が凝ったのかな?
どっちにしろ、明日は筋肉痛かもしれない。
そんなことを思いながら、深い眠りについた。
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37.8℃。
翌朝。体温計が示す数字を三度見くらいする。
朝目が覚めて、いつもとは違う身体のダルさと関節痛、頭痛がして熱を測ってみると普段は見ない数字にお目にかかるかことができたのだ。
「風邪?」
呟いた声は自分のものとは思えないくらいに掠れている。声を出さなくても喉が痛い。
「最悪……」
こんな忙しい時に休んでなんかいられないが、さすがにこの状態で会社に辿り着けるとは思えない。
休みたくはないけれど、渋々会社に電話を掛けた。
『大丈夫なの? 朝比奈』
電話先の鈴木主任は驚いたような声を出した。
体力と元気が取り柄の私が休むことは滅多にない。だからこそ、鈴木主任は心配そうな声をだした。
「すみません、お忙しいときに」
『声が出てないわね。いいから、病院に行きなさいね?』
鈴木主任にお礼を伝えて、電話を切る。時計を見ると、8時を少し過ぎた辺りだ。
さすがにまだこの時間は病院は空いていない。
眠気にも抗えず、少しだけ眠ってから行こうと目を閉じたのだった。