愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「鈴木さんが持ってきたパックのお粥に、冷蔵庫にあった卵とネギを使った。食欲なくても、少しでも良いから食べた方がいいぞ」


寝起きの時は空腹は感じなかったが、この美味しそうな香りに食欲が刺激されて小さくお腹が鳴った。
それは藤堂先生にも聞こえたようで、「フッ」と笑われる。


「食えそうだな」
「すみません」


恥ずかしくてお腹を抱えてから、差し出されたお粥を受けとる。


「……あの、そんなに見られると食べにくいのですが……」


ベッドに腰掛け、私を見てくる藤堂先生にやんわりと「見ないでほしい」と伝えるが、ニヤリとした笑顔を返された。


「俺がフーフーして食べさせた方がいいかな、と思ってさ」
「要りません!」


ニヤニヤ笑顔をキッと睨むが、藤堂先生はひとりで可笑しそうに笑っている。


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