片思い彼氏scene.教習所



先生の運転はすごい優しい。


なんだか心地いい…。





窓の外を見る――



街の電気が夜の闇をまばゆい位明るく照らす…





窓に映る私の顔の奥には




大好きな先生の横顔が映る。





――真剣な眼差し……






窓だったら先生のこと素直に見れるのに……



こんなに近くに先生がいるのに……








「――――…だな?」




「えっ?」



先生の声が聞こえた気がした…。



先生の方を向く…



「そんな大きな忘れ物する人って初めて見た気がしてさ…(笑)」



咄嗟に両手でバッグを覆う。


先生の顔はいつもの笑顔。



「あっ…ありがとうございました!」



「ん?何が?」



「…えっと置き手紙…」



「あぁ…いいよ!」




赤信号で車が停まる。



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