最高の片想い

いつもと違う勉強会

勉強会をして3ヶ月。
期末の時期に突入した。
期末になると、1週間放課後は教室が使えない
そうなると、白井くんとの勉強会は出来ない
それがなぜか、とても悲しいと思う。
そして、今日は月曜日。
重いなぁ、気持ち。
放課後になって白井くんが話しかけてきた。
「橋本さん」
「白井くん。お互い、家で頑張ろ」
「え?どうして、勉強会しようよ」
「だって、教室使えないし、すぐ先生に帰されるよ?」
「俺の家でやればいいじゃん」
「え!」
大きい声が出た。
「何で?」
「橋本さんの家、遠いから」
「そうだけど、それは…」
「もしかして、迷惑?」
「とんでもない。行きます!」

その後、白井くんの家に行った。
「お邪魔します」
「ただいまー」
そしたら、男の子が出てきた。
「何?兄ちゃん。彼女?」
「違う。友達」
友達。
そうだ。
私は友達。
その響きが1番しっくりくるのに、なぜか残念

「入って」
白井くんの部屋は凄い綺麗で、高2男子の部屋とは思えなかった。
「じゃあ、まずは、数学しようか」
「うん…」
「橋本さん?」
「あ…何?」
「いや、なんか元気ないから」
「なんでも」
「ならいいけど」

一通り、数学のテキストをやって答え合わせして、間違えたところをお互い教えあった。

「休憩しようか」
「うん」
「ねぇ、あの曲歌ってる歌手の人ってほかに何か歌ってないの?」
「たくさん歌ってるよ」
「へぇ、橋本さんのオススメは?」
「うんと、これかな」
携帯にイヤフォンをさしていつも通り片方を渡す。
それが当たり前になっている事が嬉しい。

「これもいい曲だね」
「うん、これも大好きなんだ」
そしたら、ガチャっとドアが開いて、弟くんが入ってきた。
「へぇ、ラブラブぅ」
「おい、陸(りく)。入ってくんな」
そう言って、陸くんのところに行った。
「お茶持ってきたんだから、感謝しなよ」
「あぁ、そりゃどうも。早く出てけ」
そして無理やり陸くんは追い出された。
「はい。烏龍茶だけどいい?」
そしてコップを渡してくれた。
「うん。私、烏龍茶大好きだよ」
「ほんと?それなら良かった」
「ねぇ、白井くんってバスケ好きなの?」
「え?なんで…」
少し元気が無くなった白井くん。
「バスケの本がたくさんあるから」
聞いてはいけないことだったのかも…。

「うん。中学の時にやってたんだ」
「そうなんだ。意外」
「でも…途中で辞めたんだ」
「え、なんで?」
「ごめん、今は言いたくない」
やっぱり聞いちゃダメだった。
そのあと微妙な空気が流れて勉強会は終わった。


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