私の心の中はいつだって真っ黒なのに
『行きません。』

『あのおっさんには付いていくのにか?』

『ちょっと!マキそんな言い方しない!ごめんな?マキは君の事を心配してるんだ。だから付いてきてくれないかな?』


そう爽やかな男に言われ結局付いてきてしまった。


そしてついた場所はマスターの店だった。


『ソウ、行く場所ってここ?』

ソウとはあの爽やかな男のことだ。

見た目と名前がぴったりだった。

『うん、そうだよ。アミちゃんはここを知ってるの?』


『ううん、知らないよ』


アミとは私がさっきとっさに思いついた、偽名だ。

もしマスターがリョウと呼べばバレてしまう。


でも待て、マスターとは制服であった事がない。


なら大丈夫なはず…そう願いたい。


< 15 / 29 >

この作品をシェア

pagetop