私の心の中はいつだって真っ黒なのに
カランコロン

いつもと変わらない音。

いつもと違うのは騒がしい店内だけだ。


『久しぶりでーす』

『……』

ソウは挨拶をし、マキは無言。

私はマキの陰に隠れた。


が、そんな僅かな私の努力はソウによって崩された。

『シンさん紹介したい子がいるんだ』

そう言って私の腕を引っ張った。

マスターと目が合いマスターが口を開く。

『リョウちゃん!?』


『リョウ、ちゃん??』


バレた。

秒でバレた。

『え、シンさんこの子アミちゃんじゃないんですか?』

ソウの困惑した声とマスターことシンさんの心配そうな目。


そしてマキの鋭い目。


『なぜ偽名を使った。』

さっきはおっさんに向けられた低い声が今は私に向けられている。


その奥でソウとシンさんの心配そうな目。
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