私の心の中はいつだって真っ黒なのに
それから私とマキはカウンターに、ソウは奥のテーブル席に座った。

『マキはこれ、リョウちゃんはいつものね』

『ありがとう』

『……』

この時もやっぱり無言のマキ。


ホント無愛想な男。


あ、私も無愛想な女か。


そして、する事がなくなった私はスマホを開いた。



あー開けなきゃよかった。


こーゆーの見たくないんだよね。



有名なメッセージアプリには32のマーク。


どんなに未読してんだよ私。


そしてつい小1時間前に来たメッセージはお姫様のヒナからだった。



«ミサキくんとケンカしちゃったの(><)»
«助けてリョウちゃん!!»
«仲直りしたいの…m(*_ _)m»



そんな事私に言わなくたって、ミサキの方からアンタに謝ってくるくせに。

明日にはまたイチャイチャしてるんでしょ?


ムカつく、ムカつくムカつく!!



なんであんたなんかが…!!!!



私はいつもと同じだけお金をテーブルに起き、帰る準備をした。


『シンさん、帰るね』

『え、あーうん!気おつけてね』

その言葉で店を出ようとした時。

パシッ


マキが私の手を掴んだ。


『…どこに行くんだ』


『マキに関係ある?』


『……チッ』


私はマキの腕を振り払い、店を出た。


もう二度と会わないだろうから。



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