私の心の中はいつだって真っ黒なのに
そう、今日まで私は何も変わらないと思っていた。


ミサキの隣で幸せそうに笑ってるヒナとそのヒナを愛おしそうに見つめるミサキを黙って見てるだけだと思っていた。






つまらない学校の時間が終わり放課後になった。


ヒナとバイバイをして家に向かって歩き出す。


家は1番いたくない場所。


息ができない場所。


消えてしまいたくなる場所。


それが私の家だから。


私はどんな時でも音を立ててドアを開けない。


あの人がいるかもしれないから。


そしてすぐに自分の部屋に入る。


あの人に見つからないように。


静かに音を立てずに、まるで今私はここに存在していないかのように。


私は空気。


そうでしょ?お母さん。


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