海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを
掌の熱
*
私たちが別れたという噂は、一日で学年中に広まったらしい。
教室で、廊下で、すれ違う人たちから感じるちらちらとした視線で分かった。
なぜ知られることになったかというと、別れた翌日に私がクラスのみんなの前で宣言したからだ。
みんな言葉も出ないくらい驚いていた。
クラス公認のラブラブカップル、とか恥ずかしいことを言われていたので、それも当然かもしれない。
ただ、高校生ともなるとみんな大人なので、なんで別れたのかとか、どちらが別れを切り出したのかとか、よりを戻さないのかとか、質問攻めに遭うようなことはなく、特に何も言わずに事実だけを受け入れてくれたのはありがたかった。
真梨もすごく驚いていたけれど、やっぱり何も言わずにいてくれた。
ただ心配そうに私の顔を覗きこんで、休み時間のたびに私の席に来て、なんということはない雑談をしてくれた。
もしかしたら周りから何か言われるのを防いでくれるつもりだったのかもしれない。
優海も、表面上はいつも通りに明るくふるまっていた。
仲の良い男子たちに『そうなんだよー、別れることになっちゃった』と笑って話しているのがたまに聞こえてくる。
そんな様子を気遣ってか、彼も誰かに何かを訊ねられるようなことはないようだった。
私たちが別れたという噂は、一日で学年中に広まったらしい。
教室で、廊下で、すれ違う人たちから感じるちらちらとした視線で分かった。
なぜ知られることになったかというと、別れた翌日に私がクラスのみんなの前で宣言したからだ。
みんな言葉も出ないくらい驚いていた。
クラス公認のラブラブカップル、とか恥ずかしいことを言われていたので、それも当然かもしれない。
ただ、高校生ともなるとみんな大人なので、なんで別れたのかとか、どちらが別れを切り出したのかとか、よりを戻さないのかとか、質問攻めに遭うようなことはなく、特に何も言わずに事実だけを受け入れてくれたのはありがたかった。
真梨もすごく驚いていたけれど、やっぱり何も言わずにいてくれた。
ただ心配そうに私の顔を覗きこんで、休み時間のたびに私の席に来て、なんということはない雑談をしてくれた。
もしかしたら周りから何か言われるのを防いでくれるつもりだったのかもしれない。
優海も、表面上はいつも通りに明るくふるまっていた。
仲の良い男子たちに『そうなんだよー、別れることになっちゃった』と笑って話しているのがたまに聞こえてくる。
そんな様子を気遣ってか、彼も誰かに何かを訊ねられるようなことはないようだった。