海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを



四時間目の体育のために移動していたとき、急に具合が悪くなってきた。

頭が痛くて、身体がだるくて熱くて、心臓が嫌な感じで脈うっている。

しばらくは無理をして歩いていたけれど、だんだん足が重くなってきて、うまく進めなくなってきた。

よろめいて壁にもたれ、息をつく。

最近ずっと食欲がなかったし、ゆうべは夢見が悪かったせいであまり眠れなかったのも良くなかっただろうか。

ちょうど周りに誰もいなくてよかった。

担任の先生に提出物があって遠回りしたのが幸いした。

校舎の日陰に入っている渡り廊下の壁はひんやりと冷たく、火照った身体に心地よかった。

頭がくらくらしてきたので、背中をべったりとつけて、ずるずるとしゃがみこむ。

しばらくじっといていたら良くなるだろう。

でも、早く行かないと授業に遅れてしまう。

体育だから着替えないといけないし、更衣室から体育館までは意外と遠い。

急がなきゃ、立たなきゃ、と思いつつも、これから熱気のこもった体育館で走らないといけないと思うと、乗りきれる気がしなかった。

でも、急に保健室に行ったりしたら迷惑がかかるし心配される。

なんとかして頑張らなきゃ、と思うのに、どうしても身体が動かない。

< 127 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop