海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを
なんで、どうして、と心の中の私が叫んでいる。

運命にどんな酷い仕打ちを受けたって、優海は神様を恨んだりしなかった。

ひどい災難が降りかかっても決していじけたりせず、誰にでも優しくて、誰より純粋で、いつだってまっすぐで正しくて、嘘もつかなくて、罰が当たるようなことなんて絶対にしなかった。

それなのに、なんで?


どうして神様はこんなに残酷なんだろう。

優海はたくさんのものを失ったのに、どうしてさらに失わなくてはいけないんだろう。

女の子なんて星の数ほどいるのに、なんで優海の特別になったのが私なんだろう。

なんで優海は、私を選んでしまったんだろう。


答えなど出るわけのない問いだけが、いつまでも私の中で渦巻いていた。


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