海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを



昼食を終えて、駅ビルを少し散策してから、鳥浦に戻ってきた。

なんとなく離れがたくて、どちらからともなく自転車を降り、並んで押しながら海沿いの道を歩く。


防波堤の下には、テトラポットが無数に置かれていた。

打ち寄せる波が当たって砕け、白く散っていく。

どこから降りたのか、テトラポットに乗って釣り糸を垂らしている人もいた。

その姿を見ていると、胸がざわざわと騒ぎだす。

軽い吐き気と頭痛が襲ってきて、釣り人から目を逸らした。

しばらく深呼吸をしていたら、吐き気は治まった。


思ったよりも長い時間遊んでいたので、すっかり遅くなってしまって、もう夕飯時だ。

どこからか美味しそうな煮物のにおいが漂ってくる。

ぼんやりと海を見ながら歩いていたら、いつの間にか少し前を歩いていた優海がいきなり立ち止まり、ぶつかりそうになった。

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