それでも僕は君を離さないⅢ
彼女と付き合えたら起こり得る気苦労など何でもないことだと

天然すぎる妄想を仕事中に考えている多田貴彦は

どうにかして彼女をランチに誘おうとメールし

自分のブースで送信後の暗い画面をいつまでも見続けていた。

同時間帯に樹里がどれだけ大変なことになっているか

まったく知る由もない貴彦はランチの候補をどこにするか

眉間にしわを寄せて考えあぐねていた。

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