それでも僕は君を離さないⅢ
一方樹里はこういう時のためにストックしてあった

シリアルバーとチョコバーをデスクの引き出しの奥から取り出した。

今日のランチはこれでしのぎ

昼休みも極力席を離れない方がいいと考えた。

ガランとした社長室を見渡して

胸が詰まりそうな悲しい思いを感じた。

頭を振り払って社長の元気な姿を思い描いた。

以前のように多忙な社長を細やかにサポートしたかった。

以前のように「立花くん」と社長に名前を呼ばれたかった。

社長の快気と復帰を祈った。

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