それでも僕は君を離さないⅢ
ζ. ハプニング到来
貴彦はいつものようにいつものカフェのいつもの席から樹里が改札口から来るのを待った。
今日はなにがなんでも話がしたかった。
考えに考えて、彼女の後ろからエスカレーターに乗ろうと間合いを計り、今日という今日は目障りなアイツらを出し抜く。
そう思いながら席を立ち移動した。
吹き抜けのだだっ広いフロアに鎮座した何本もの巨大な柱の一つに背をもたれて待った。
いつもの時間になった。
電車がホームに着くたびに人の流れが多くなり、いつもの顔ぶれが歩いてくる。
その中に彼女もいた。
いつも通りだ。
気に食わないアイツらも後ろにいた。
しかしその日の朝は誰も予想できないハプニングが起こり、貴彦にとって幸運が舞い降りた。
いつも通り昇りのエスカレーターの前に数人が列を作り始めた。
樹里があと数歩でその列の最後尾に着くのを狙った。
案の定邪魔な二人がやって来た。
「くそ。」誰にも聞こえないよう一人で毒づいた。
ところが大股で歩くストール女がアイツらの前に割り込んできた。
「チャンス到来だ。」
貴彦はさらに大股でそのストール女の前に割り込み
樹里の真後ろに並んだ。
その瞬間貴彦の頭の中でファンファーレが鳴り響いた。
今日はなにがなんでも話がしたかった。
考えに考えて、彼女の後ろからエスカレーターに乗ろうと間合いを計り、今日という今日は目障りなアイツらを出し抜く。
そう思いながら席を立ち移動した。
吹き抜けのだだっ広いフロアに鎮座した何本もの巨大な柱の一つに背をもたれて待った。
いつもの時間になった。
電車がホームに着くたびに人の流れが多くなり、いつもの顔ぶれが歩いてくる。
その中に彼女もいた。
いつも通りだ。
気に食わないアイツらも後ろにいた。
しかしその日の朝は誰も予想できないハプニングが起こり、貴彦にとって幸運が舞い降りた。
いつも通り昇りのエスカレーターの前に数人が列を作り始めた。
樹里があと数歩でその列の最後尾に着くのを狙った。
案の定邪魔な二人がやって来た。
「くそ。」誰にも聞こえないよう一人で毒づいた。
ところが大股で歩くストール女がアイツらの前に割り込んできた。
「チャンス到来だ。」
貴彦はさらに大股でそのストール女の前に割り込み
樹里の真後ろに並んだ。
その瞬間貴彦の頭の中でファンファーレが鳴り響いた。