それでも僕は君を離さないⅢ
η. 淑女な樹里と単細胞が素で行くと
生真面目を絵に描いたような人物樹里は、入院中の社長がいつ復帰されてもいいように、今日も各部門からの指示に忠実に従い業務をこなしていく。
昼休みにデスクで軽食を取りながら、貴彦へお礼のメールをササッと打って一旦保存した。
あの時多田さんに支えてもらわなかったら、エスカレーターから落ちていたら、ケガを負うか運悪く骨折していたかもしれない。
改めてそう思い鳥肌が立った。
何かお礼がしたかった。
と言っても何も思いつかず、手作りものは得意ではないし、何を買っていいかもわからないし、樹里は頭を悩ませた。
本人に直接聞いてみればいいかもしれない。
下書きを打ち直した。
「多田さん、お疲れさまです。今朝はありがとうございます。何かお礼をしたいと思っております。リクエストはございませんでしょうか。立花」
送信後ものの数秒で返信が届いた。
「メールを。たまにでいい。」
樹里は首を傾げた。
思っていた答えとまったく違う返事に戸惑った。
「メールするだけでよろしいのでしょうか?」
「仕事で凹んだ時、元気になれるから。」
意外な理由でさらに頭を悩ませた。
何をメールしたら良いのかさっぱり思い浮かばないことに。
昼休みにデスクで軽食を取りながら、貴彦へお礼のメールをササッと打って一旦保存した。
あの時多田さんに支えてもらわなかったら、エスカレーターから落ちていたら、ケガを負うか運悪く骨折していたかもしれない。
改めてそう思い鳥肌が立った。
何かお礼がしたかった。
と言っても何も思いつかず、手作りものは得意ではないし、何を買っていいかもわからないし、樹里は頭を悩ませた。
本人に直接聞いてみればいいかもしれない。
下書きを打ち直した。
「多田さん、お疲れさまです。今朝はありがとうございます。何かお礼をしたいと思っております。リクエストはございませんでしょうか。立花」
送信後ものの数秒で返信が届いた。
「メールを。たまにでいい。」
樹里は首を傾げた。
思っていた答えとまったく違う返事に戸惑った。
「メールするだけでよろしいのでしょうか?」
「仕事で凹んだ時、元気になれるから。」
意外な理由でさらに頭を悩ませた。
何をメールしたら良いのかさっぱり思い浮かばないことに。