それでも僕は君を離さないⅢ
貴彦はいつもと違い土曜の朝早く目が覚めた。
と言っても8時だ。
昨夜は得意先の接待で帰宅が午前様になってしまった。
ところが眠いはずの頭がすっきりしていた。
自分でもおかしいと思ったが、意識はしていない予感めいたものがあった。
樹里は週末は外出しないと明言していた。
だが今日は違うと思う何かが貴彦を揺り動かした。
案の定着信が入っていた。
「おはようございます。昨日はお疲れさまです。いつでもお仕事を優先してください。それは私も同様です。」
彼女らしい文頭であった。
「週末は英気を養い、週明けからの激務に備えてください。また食事できる日を楽しみにしています。立花。」
といつも通りの短文だが、繰り返して読むと、彼女にしては珍しく何かを訴えたい気持ちがこもっているように思えた。
と言っても8時だ。
昨夜は得意先の接待で帰宅が午前様になってしまった。
ところが眠いはずの頭がすっきりしていた。
自分でもおかしいと思ったが、意識はしていない予感めいたものがあった。
樹里は週末は外出しないと明言していた。
だが今日は違うと思う何かが貴彦を揺り動かした。
案の定着信が入っていた。
「おはようございます。昨日はお疲れさまです。いつでもお仕事を優先してください。それは私も同様です。」
彼女らしい文頭であった。
「週末は英気を養い、週明けからの激務に備えてください。また食事できる日を楽しみにしています。立花。」
といつも通りの短文だが、繰り返して読むと、彼女にしては珍しく何かを訴えたい気持ちがこもっているように思えた。