たとえば、君と
彼女が、本題を口にしたのは
駅の改札の手前だった。

雪乃は電車に乗って帰るし、
僕は駅から出ている路線バスで帰る。

大事な話は、サヨナラの間際に
なんてどこかの映画で
見たことがあったな。

「もし、よければ、なんですけど…」
「はい。」
やはり彼女は言いづらそうに
伏し目がちにため息を一つついた後、
しっかりとこちらを見て口を開く。

「よければ、もう一度だけ、
一緒に遊んでくださいませんか。
セイヤさん。」

そう告げると、深々と頭を下げた。
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