たとえば、君と
「それじゃ、行こうか。」
噴水のヘリから腰を上げて
水族館のほうへ歩き始める。

セールやらイベントやらで
溢れた人混みの中では
雪乃の姿が
見えたり見えなくなったりを
繰り返す。

「あぁ、こっち。」
背の高い高校生の集団に
ぶつかりそうになっていた
雪乃の肩に手を回して
こちらへ引き寄せた。

身体が近づき、ふわりと
女の子のいい匂いがする。

「あ…りがとうございます。」
上から見た雪乃の顔は、
軽く赤くなっていた。
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