たとえば、君と
「私、ここ来るの久しぶりです。
前にセイヤさんと来ようとした時は
改修中で入れなくて。」

水族館好きなんです──
そう歩きながら話していた雪乃の目は
入場ゲートを前に輝いていた。

先ほどのまでの控えめな様子とは
打って変わり、
ぐいぐいと腕を引っ張って、
水槽の前へ連れて行く。


さすがは水族館が
好きというだけあって
ちらほら魚の解説をしてくれた。
なんだか、そんな彼女の姿が
可愛らしくて。

「ほんと、好きなんだね。」

見守るように優しく笑いかけた。
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