たとえば、君と
「県西って誰が行ったんだっけ。」
同じクラスの何人かは、
夏帆と同じく県西に進んだはずだが
パッと出てこない。

「んーと、梨花と晴美と…
あんたが知ってる辺りでいうと
山本とか、瞬太とか?」
「うわー、やまちゃんか。懐かし。」
夏帆は少し上を向き、
指を折って数える。
懐かしい名前に、ふと、
中学時代のことがよみがえる。

「中学の時の子達と会ってないの?
佐倉とか仲よかったじゃん。」
「あぁ、去年の冬あったきりかな。」
あの冬の日に会って以来
なんだかタイミングが悪くて
会えていない。

「まぁ、あと少しすれば同窓会もあるしね。それよりさ」
ベランダの柵に軽く体重をかけると
軽く軋む音がした。

「なんか、悩みでもあるわけ?」
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