たとえば、君と
3.【S】ubstitute
1.
身体にまとわりつくような、生ぬるい風を振り払うように、パタパタと手で仰ぐ。
梅雨が開けると、雨が少なくなったのはいいことだが、やはり、外を出歩くのが億劫でたまらない。
「はー…、おはよ。」
気だるさを落とすように、ため息をついてから教室に入ると、この前の雨の日のように、今度は黒板の前に人だかりができていた。
「おっ、セイヤさんのお出ましだ!」
「は?」
突然、群衆の中にいた奴に声をかけられて目を丸くする。
「いいから、いいから。こっち来いって。な?」
そういいながら、腕を掴んでぐいぐい引っ張っていく。暑いのに、そんな人混みに混じりたくない。いいから、と言いたいのは俺の方だ。
梅雨が開けると、雨が少なくなったのはいいことだが、やはり、外を出歩くのが億劫でたまらない。
「はー…、おはよ。」
気だるさを落とすように、ため息をついてから教室に入ると、この前の雨の日のように、今度は黒板の前に人だかりができていた。
「おっ、セイヤさんのお出ましだ!」
「は?」
突然、群衆の中にいた奴に声をかけられて目を丸くする。
「いいから、いいから。こっち来いって。な?」
そういいながら、腕を掴んでぐいぐい引っ張っていく。暑いのに、そんな人混みに混じりたくない。いいから、と言いたいのは俺の方だ。