たとえば、君と
連れていかれた先は、黒板に貼られた白い紙切れ。──模試の結果だ。

「おまえ、また二位だってよ。」
「いーなぁ、俺もおまえの頭が欲しいよ。」

貼られた紙をよく見ると、御幸 晴也という文字の横に765点と書かれてあった。
「あー、一位、やっぱハルヤだったの。」
いい線行ったと思ったのにな、とつぶやきながらも、彼の努力には頭が上がらない。
俺の名前の上に書かれた四文字。櫻井 春矢。中学部からの持ち上がり生らしい。
中学部の時から不動のエースというだけあって、有名人。

そんな中、いい勝負をする俺が現れたことで、入学した時はちょっとした話題になった。
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