たとえば、君と
「御幸です、よろしく。」
「俺らはセイヤって呼んでるよ。」
適当に呼んで、と笑いながら軽く会釈する。話を聞く感じでは同い年らしい。

「どう、可愛くない?」
男子の1人が耳元でこっそりと話す。
確かに、今風の可愛らしい女の子達だ。タイプかどうかは別だけど。
たしかに、と返しながら集団について歩いていく。

この暑さのせいと、呼び込みをしていたせいか喉が乾く。そんな時、タイミングよくラムネを売っている屋台が目に入った。祭っぽい。
どうやら喉が渇いていたのは俺だけでもないらしく、結局、全員がサイダーを買うことになった。

お前ら、いつの間に──なんて、羨ましそうな目をする店番の子に、いいだろ?とわざと威張ってみせると、女の子達が笑う。

附属の蓋で、飲み口についたビー玉を落とすと、ビー玉はビンの中で転がった。
小さい時はビンのくぼみにビー玉を引っ掛ける事を知らなくて、飲むのに苦戦した。そんな中、兄貴の方は、スイスイ飲めるのが不思議でたまらなかった。
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