短編:Love Letter
二通目の手紙。


やっぱり私の下駄箱に入ってた。


今度はちゃんと奈々ちゃんのとこに入れようとすれば出来たのに、あたしはしなかった。


いけないと分かってるのに、指は封を切っていた。


奈々ちゃんが羨ましいなんて思いながら…。



楠君は今日も奈々ちゃんと一緒にいる。


何にも知らないこ達は


「奈々と楠君ってお似合いだよね」


とか言ってるけど、それを聞いてる楠君はどんな気持ちでいるんだろう?


言われる度に胸が痛むのかな?


にこやかに笑ってる奈々ちゃんが少し色褪せて見える。


可愛くて憧れだったはずなのに、今は前ほどそう思えない。


あんな顔して楠君を苦しめてるなんて…


そう思うと、優しさを振り撒く奈々ちゃんがただの八方美人に見えてくる。


その上ひどく残酷…


私は、自分が一番楠君を知ってる気がして嬉しかったけど、いけない事をしている分胸がチクチク痛んだ。
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