【完】LooK at ME
「……っ。」


顔を真っ赤にさせた柴崎くんは。
勢いよくのけぞって後ろに下がった。


いきなりの事で動けなかった私は。
柴崎くんの頬に当てていた手がするりと抜けて。
また、距離が出来た。


ど、どういうこと……?


赤い顔を隠すように腕で顔を覆った柴崎くんは。
私に見られないように後ろを向いた。


これって、なに。
なんで柴崎くん顔が赤いの……?
もしかして、これって。
柴崎くんが私と目を合わせなかったのって。


ぐちゃぐちゃの心が整理されていく。
そして、いちばん納得のいく答えに辿り着いた時。
私の顔も赤くなる。


ええ、……えええええ。
なにそれ、わかんないよそんなの。
伝わるわけないじゃんかあ、柴崎くん。


とにかくどうしよう。
ああやばい。
心臓ドキドキ言ってる。


「し、柴崎くん。」


「な……んですか。」


「……バスケ、経験者?」



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