海岸通り 〜文治と由以香
「ちょっと押しただけ」




“ わ、嘘つきっ! あんなに突き飛ばしてなによ ”





「嘘です先生、文治は松崎さんの髪も引っ張ってました」



すかさず言う響子





「文治くんっ! 松崎さんに謝りなさい、意地悪してはいけませんっ!」





ギロッ…

由以香睨む文治…






恐っ!






「文治くんっ! ごめんなさいはっ!」





「 … ごめん… 」



由以香の顔も見ないでふて腐れる文治


絶対、心から謝ってない





「松崎さん? 大丈夫?」



由以香にふる先生



向こうから、由以香に威嚇攻撃してる文治…






「ぁ、はい… 大丈夫…」



仕返しされそう…






「文治くん、仲良くするのよ?↑」




「 は〜い↑♪ 」



口先だけ明るい返事、目は由以香睨みつけたまま…





「さ、みんな席着いて」





俯いて教室入る由以香、席に着く


筆箱取り出す



ん? なにこれ、ザラザラ…



テンコ盛りの砂、砂に埋もれる折られた鉛筆、スライス消しゴム…




ギクっ!


顔上げる…


文治がこっち見てにたにた…
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