星降る夜空に祈りを込めて

表情を眺めつつも、梅乃さんのお手製のお料理を並べて全員揃って食事をすることにした。


「いただきます」


そうして食べる料理はどれも美味しい。
梅乃さんは料理上手なのだ。


西澤先生はどれにも目を丸くして、美味しいですと言いながら綺麗な箸使いで食事をしている。
隣で食べる先生のお皿はどんどん減っていく。
結構な量を食べるのも、変わってなさそうだ。


こんなこと、思い出してもどうしようもなのに。
小さく息を吐くと、私も食事に戻る。


すると、チラッと私を見て先生が言う。


「人参、食べれるようになったのか?」


今、食べてるのは梅乃さん特製紅白なます。
実は人参嫌いな私だが、梅乃さんの紅白なますは食べられるのだ。


「子どもじゃないんですから、食べられますよ。進んで食べるのは、この梅乃さん特製の紅白なますくらいですけど……」


やや気まずくて、視線を晒しつつそう答える。


「君は昔から正直だものな。ところで、その話し方はどうにかならないのか?」


顔を覗き込んで視線を合わせてきた、その問いに私は仕事モードそのままに答える。


「一番の下っ端看護師ですよ? 仕事のこともありますし、この話し方で問題はないかと思いますが」


さらっと返した私に、先生は更にこう問いかけてきた。


「五年前、俺は君の気に障ることをしたのだろうか? 愛想をつかして姿を眩ませるほどのことを……」

切なさを滲ませて、先生は私に核心的なことを聞いてきた。
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