それでも君は笑っていて
とは言ってもまだ4月。
今週が初めて掃除当番が回ってくる週だった。
「どこ?」
「中庭」
周くんは、あの4人の中だと1番居心地のいい存在。
無理に話そうとしなくても、近くにいるだけで安心できるような、そんな人。
「あ!須東くん!!野球部のエースになる予感なんでしょ!」
「応援してるからね!!」
「須東くーん!」
周くんが歩くと、決まってそこに人集りが出来る。
それほど人気で、誰もが期待する野球部のエース的存在。
そんな周くんの周りに人が集まると、私は決まって周くんの後ろに立たせてくれる。
盾になってくれている。
周くんなりの優しさだろう。