それでも君は笑っていて
寝ているのに、どうして私の腕を離してくれないの…?
掴まれたままの腕をぷらぷらと動かしても、一向に離してくれる気配はない。
「はあ…」
運良く私は左利きだから、右手を塞がれたところでなんてないんだけど。
そうこうしているうちに授業は終わり、チャイムの音と共に佐藤くんは起きた。
ようやく右手が解放され、ほっとしたのも束の間、
佐藤くんが私の手を取り、強引に教室を出た。
「…え!?さ、佐藤くん!?」