それでも君は笑っていて



私の声は聞こえていないかのように、ずかずかと私の前を歩く。





思っていたよりも身長が高く、男の子だからガタイもいい。





佐藤くんの明るい髪色のせいか、休憩で人がごった返すはずの廊下は佐藤くんが歩くには十分すぎるほどの道ができていた。





バン!と勢いと音がすごいまま、佐藤くんが扉を開いた。





その先には屋上。




そして…




「あ!蓮翔(レント)と…アバズレ!?!?」





その女の子の声に反応したかのように、他の子も「アバズレ!?」と佐藤くんの後に隠れる私を見る。





アバズレとは、どうも私のことらしい…



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