iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
1
「東京に行ってみる気はない?元々鈴宮君は東京に住んでたしさ、どうかな?」
全ては、お世話になりっぱなしの部長のこの言葉から始まった。
「……それって、異動ということですか?」
「異動というか、引き抜きだね」
引き抜き……。
「期間はいつまでですか?またここに戻って来れるのでしょうか?」
「期間は分からない。戻って来れるのかもわからない」
「私に拒否権はあるのでしょうか?」
「一応あるけど……」
家を出てから四年七ヶ月。
その間、一回も東京に帰った事は無い。
此所は私が初めて自立した場所、そして何より私を知っている人に会うことの無いこの土地を気に入っている。
だから断ろうと思った。
全ては、お世話になりっぱなしの部長のこの言葉から始まった。
「……それって、異動ということですか?」
「異動というか、引き抜きだね」
引き抜き……。
「期間はいつまでですか?またここに戻って来れるのでしょうか?」
「期間は分からない。戻って来れるのかもわからない」
「私に拒否権はあるのでしょうか?」
「一応あるけど……」
家を出てから四年七ヶ月。
その間、一回も東京に帰った事は無い。
此所は私が初めて自立した場所、そして何より私を知っている人に会うことの無いこの土地を気に入っている。
だから断ろうと思った。
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