iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「荷物纏めて」

「え?」

「亨、あの素振りからするとまた此所に来るつもりだぞ。その時、莉緒は一人でも追い返せる?」


確かに…来るかもしれない。


「俺が綺麗さっぱり亨のことを忘れさせてやるから、俺の所に来い」


今、一番最悪の展開になった。

絶対に坂本君は私が未だに彼を好きだと気付いた。

此所に一人で居るより、神島仁の家に居る方がマシかもしれない。


「でも……」

またこの人を利用しても良いのかな……。


「俺を利用しろって言っただろ?」

俯いた私に神島仁が言った。


そうだ……神島仁だって私の気持ちを初めから分かってて傍に居る。
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