iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「神島仁ってこの家に何人で住んでんの?」

「一人に決まってる。てか、何でフルネーム?」

決まってるんですか、そうですか。

無駄に広すぎて落ち着かない。
ダイニングとリビングだけで私の家の三倍くらいありそう。
このソファーだって十人は座れるんじゃないかってくらい無駄に大きいし、高級感に溢れている。


「莉緒はさっきから大人しいな」

神島仁はクスッと笑った。

「私はいつも大人しいですけど!?」


神島仁はずっと私の手を握っていた。
車の中も、エレベーターの中でもずっと。
私が逃げ出すとでも思っていたのだろうか。

でも正直部屋に入った瞬間に押し倒れると思ってた。

なのに神島仁は私をリビングに通した後、ずっと何かを探してる。

……私、何か神島仁の機嫌を損ねるような変なことでもしたのかな。
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