iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
『麻耶』

笑顔の彼の口から他の女の子の名前が出てきたことに、胸の奥から苦いものが込み上げてきた。


「鈴宮莉緒です。宜しくお願いいたします」

私はなんとか席から立ち上がり、叶内さんに挨拶をした。

立ち上がったし、もうパスタを食べる元気も無い……ついでにこのまま帰ろうかな……。

御飯の神様、食べ物を粗末にしてごめんなさい。と、心の中で謝った。


「莉緒」

失礼極まりない男が突然私の名前を呼んだ。
その事ですっかり忘れていたこの失礼な男の存在を思い出した。


「お前も引き抜きメンバーなのか?」


引っ掛かるワードがあったが今はスルーすることにした。
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